昨日、企業が自社の情報を発信するフェイスブックページのデザインが3月末日ですべてタイムライン式に変更されることが正式に発表された。業界、といっても、なに業界?って感じではあるが、ソーシャルメディアで飯を食っている人たちは大慌てのようである。この変更により、永江一石氏は、ブログで以下のようにまとめている。
ザッカーバーグは、Facebookページを本来の姿に強引に戻した気がします。Facebookページは、企業との相互コミュニケーションの場になったのです。
ウェルカムページもなくなった。また、トップの大きな写真が目立つタイムライン式デザインではあるが、この写真のなかに広告になるような文言を入れてはいけないとの決まりもある。つまり「いいね!」を押させて、なにかを配るようなプロモーションができたりという広告目的よりも「企業が顧客と双方向にやり取りをすることによって、ブランドを確立させてください」というフェイスブックからのメッセージなのだと思う。
そしてその“双方向”を促すかのように加えられた機能が、今回の変更の大きなポイントの一つでもある「メッセージ機能」だ。これは顧客がその企業に直接メッセージが出せるというもの。この機能は管理画面で表示させないことも可能だ。しかし、永江氏も以下のように指摘しているように、
この機能を殺すこともできますが、殺したら相当に感じ悪いと思う。自分ならいいね取り消すでしょう
メッセージ機能を表示しないということは顧客との対話を拒否している企業とレッテルを貼られるようで怖い。かといって、メッセージ機能を生かせば、顧客対応をしっかりやらねばならないことになり、それはそれで大変です。企業はなかなか辛い判断を迫られるのではないでしょうか。一人の人間に任せきりになるような属人的な対応ではなく、きっちりと部署を作り、ちゃんとしたソーシャルメディアリテラシーを持った複数人が回せるようにしなければならない。これはコストもかかることになるし、大変な作業になることは容易に想像が付く。
であれば、フェイスブックページなど作らずに、単純にフェイスブックに広告を貼って、自社のwebサイトに飛んでもらったほうが企業にとってはいいのではなかろうか。そう。結局、フェイスブックは、こうやって企業にとって無料のサービスを使うことを難しくし、お金を出して広告クライアントになってもらうことを促しているにすぎないわけだ。
今回の変更はフェイスブックにとって収益アップの手段でしかなく、「タダ乗りするならそれなりの覚悟で。そうでなければフェイスブック特有の細分化された顧客データに基づいた広告を出したほうが簡単ですよ」というフェイスブックの新しいメッセージにも受け取れるのだ。