7インチタブレット戦争が始まるのか? 先日アップルはディスプレイが7.9インチの『iPad mini』の販売を開始した。またグーグルは、一足先に彼らの独自端末『Nexus7』の発売を開始している。NTTドコモは7.7インチの『GALAXY Tab 7.7 Plus SC-01E』を10月に発売した。
ここにきて、ディスプレイが7インチ程度のタブレット花盛りである。なにせ重量も300g程度と軽く持ち歩くのに便利。しかも大きさも200mm×130mm程度で、これまた片手で持てるサイズでちょうどよい。
値段は『iPad mini』はWi-fiのみの16GBモデルが28,800円でちょっと高めだが、『Nexus7』は同じ16GBモデルで19,800円である。カメラ搭載の有無など機能の差があるとはいえ、『Nexus7』割安感が目立つ。
『GALAXY Tab 7.7 Plus SC-01E』はWi-Fiのみのモデルではないので比較対象外だが、そもそも7インチタブレットに月々のデータ通信使用料が発生するモデルは必要なのか。という別の疑問も浮かぶ。いや、もはや7インチタブレットは Wi-Fiモデルのみでいいのではなかろうか。
OSにAndroidを採用した『Nexus7』はじめ、その他のタブレットは、グーグル自身が開発した最適化された標準アプリである、メールソフト『Gmail』、アップルのiTunesストア的なアプリ『Google Play Store』や地図アプリ『Google Maps』、音声通話・ビデオ通話・チャットができる『Google Talk』などが搭載されている。
そのうえで『Google Play Store』で675,000タイトル以上という、さまざまなアプリやゲームなどをダウンロードして楽しめる。
『iPad mini』も、搭載アプリは、ほぼほぼiPhoneと同じだ。通話機能がないだけである。
んん? となれば、高機能のスマホってもはや必要ないのではないだろうか? 手軽で軽量な7インチタブレットを購入し、持ち歩く。で、アプリやゲーム、音楽など、利用できる機能やコンテンツはスマホと同じだ。
であれば、通話とメール、そして無線LAN環境を構築できるテザリングができる携帯電話があれば事足りる……。つまり7インチタブレットがあれば、高機能で高価なスマホは必要ない。携帯電話は『おサイフケータイ』も付いた、格安スマホでいいのである。
写メをフェイスブックにアップロードできる機能くらいはあったほうが便利かもしれないが、それは高機能のスマホでなくてもいい。これ以上の進化は必要ない。
そう考えると、現在、活況を呈しているスマホ端末メーカーさんは、早く次なる収益の柱を見つけないともはや生き残れないのではなかろうか。アップルやグーグルのようにアプリストアから”上がり”の30%を得るビジネスモデルがあればいいが、そうでないのであればヤバイのである。
昨今、弱含みの家電メーカーについて、ときに「スマホ事業を収益の柱に」という報道も見られるが、それはありえない。コモディティ化したガラケーは海外で作り続けて、それとは違う新しいビジネスモデルを創出しなければ、もう先がないのである。